優悠ss
細くて器用な舌先が、体の中心を通る溝を這うようにしてのぼってくる。
緩く閉じていた唇の隙間から漏れた声が空間に似つかわしく、自分の声と気づくのに時間がかかった。
擽ったくて、嬉しくて、気持ちが良い。伝わってくる、思っていたよりも高い優紀さんの体温に思わず嬉しくなった。
「ごめん、僕ちょっと今日余裕ないかも」
胸元に埋めていた顔を上げ、淡雪の様な白い肌に差す火照った紅がこちらを向く。
「いいですよ、好きにして」
光を吸い込む漆黒の髪を梳いてやり、劣情に歪むその顔を少しずつ露わにする。
ゆらりと眼前の体が起きあがり、片手が顔の横に置かれた。
もう一方の手の長い指先が、その美しい顔を覆う束を拾い上げ、耳にかける。指先のしなやなさと、それによって暴かれる欲情とがひどくアンバランスで。
体の内部、一番深いところが期待に疼いているのを感じた。
ギッという音を立てて、背中を預けた寝具が揺れる。
――優紀さん、せっかくの美人が台無しですよ。
滑らかに切り落とされた頬の輪郭を包み込んで顔を寄せ、瞳を閉じた。
淡く重ねた唇はほんの少しだけ冷たくて、思わず親指をその縁に添えた。
真面目で、ちょっぴり恥ずかしがりなオレの優紀さん。
そんな顔、他の人には見せないで下さいね。